終わらない書類選考地獄… あなたも「実績の数値化」で悩んでいませんか?
書類選考で落ちたらいい気持ちはしません。
一般的に書類選考は10社に応募して1社程度通過すると言われますが、10社応募しても1社も通過しなかったら、「あれ、おかしいな」と思います。
書類選考で落ちるという経験が続くと、自分が否定されているような気持ちになり、転職活動がとても辛くなります。
心当たりは、履歴書か職務経歴書
履歴書は様式がほぼ決まっているけど、職務経歴書は様式も、書き方も決まっていない。
職務経歴書が書類選考で落ちる原因ではないかと私は考えました。
私は、大学卒業後防衛省(当時の防衛庁)に採用され、22年勤務をした後47歳で退職し民間企業に挑戦しました。
大手の転職エージェントに登録し、応募をするも書類選考で落ちることが続き、今の職に就職するまでに約200社から不合格をもらいました。
最大の悩みは、職務経歴書に書く実績の「数値化」
転職エージェントや転職サイトのアドバイスは、「実績を具体的な数値で書きましょう」です。
しかし、公務員の事務職だった私には、数値化できる実績がほとんどありません。
転職エージェントのアドバイスに基づいた職務経歴が書けない悩みがずっとありました。
私の実体験をもとに、どのように職務経歴書を作成し、採用につながったのか解説します。
この記事を読むことによって、公務員の転職活動で問題となる、職務経歴の書き方に悩んでいる人が、職務経歴を書けるようになります。

なぜ私の書類は通過しなかったのか?「実績の数値化」という大きな壁

転職活動でまず作成するのが、応募者の基本情報を記載した「履歴書」と応募者の能力や具体的経験をアピールする「職務経歴書」です。
履歴書が基本的なプロフィール情報を提供するのに対し、職務経歴書は具体的な業務内容や実績を通じて、企業にマッチする人材であることをアピールする役割を担っています
転職活動の最初の関門は、書類が通過することです。書類が通過しないことには採用担当者と話をすることができません。
公務員が転職活動で躓く原因|職務経歴書が書けない|
転職活動では、エージェントや転職サイトを使うことが多いと思います。
エージェントや転職サイトのアドバイスは、職務経歴書に各実績は具体的に「実績を数値で示す」です。
公務員のように実績が数値化できない場合どうしたらいいのか訪ねても的を得た回答がない
実際、職務経歴を作成し始めると「実績は数値」というところが原因で書きづらいと思う人が多いと思います。
エージェントに「実績を数値」しづらい問題を訪ねても、「◯◯を改善した」や「◯◯の効率を上げた」などの表面的に思えたアドバイスが返ってきます。
できあがった職務経歴書の添削をお願いしても、問題ないといった回答が返ってきます。
出来上がった職務経歴は納得がいかない中途半端なもの
なぜ、できあがった職務経歴書に書いた職務経歴が納得いかなかったのかというと、自分の職務経歴を出しても落ち続けるからです。
添削してもらったとはいえ、腹落ちしない中で書いた職務経歴は、本人の中では中途半端な感じがしました。
結果が出ない現実は、自分が作成した書類に対し「本当にこれでいいのか?」という思いをいっそう強くしていきました。
・書類で落とされたときの心境(焦り・自己肯定感の低下)
書類選考で落とされるという経験は自分に焦りを与えていきます。
- 仕事が決まらないことへの焦り
- 自分という人物をうまく伝えられないもどかしさ
- 悩みながら作った書類が否定された辛さ
- 自分の実績やスキルが必要とされていないと感じる切なさ
- 自分に価値がないという自己肯定感の定価
書類選考で落ちる回数が増えれば増えるほど、焦りと自己肯定感が低くなる気持ちは強くなりました。
自己肯定感の低下は、やる気を失わせていくとともに、毎日がただ過ぎていく感じだけが残ります。
「数値化」だけが正義じゃない!見落とされがちなアピールのポイント |数値化の限界|

書類選考で落ち続けていたとき、私は自分の実績を数値化することにばかり気を取られていました。
数値は確かに誰にでもわかりやすい指標です。
数値化できれば定量的に示しやすくなります。
しかし、目的は何でしょうか?
自分がどんな人か知ってもらうことです。
例えば、仕事への姿勢や、困難や問題解決に至ったプロセス、周囲との協調性や人柄などは逆に数値化できません。
数値化にこだわれば、これらの特性は書けなくなってしまいます。
熱量の重要性
私は実績より自分の熱量(思い)がどれだけ強いのかが重要ではないかと考えました。
熱量がベースで、実績はおまけみたいなものだと考えています。
あなたが雇い主なら熱意を持って働く人と、実績はあるけど熱意は分からない人、どちらを雇いたいと思いますか?
私は、熱意を持って働きたいという人にいてもらいたいと思います。
- なぜその会社で働きたいのか
- 仕事を通じて何を成し遂げたいのか
中途半端で評価し難い数値を出すぐらいならば、こちらのほうがよほど説得力があります。
数値化できない実績のアピール方法
数値化できない成果として、仕事への姿勢、困難や問題解決に至ったプロセス、周囲との協調性や人柄などを挙げました。
例えば、仕事への姿勢。
過去に転勤や転職を経験した人なら、新たな職場でどのようにして仕事を覚えていったか、具体的に書いてみるといいでしょう。
- 自分の仕事を理解するために、職務分析をする。
- 担当する仕事を理解することによって、誰よりも詳しくなった。
- 人から聞かれたことに対し、答えられるぐらいまでになった。
- 自分の知識が周囲の役に立っている。
自分が実際に経験したことをまとめていくことで、このようなアピールの方法もできます。
「数値化」を意識しすぎると、本来自分を知ってもらうという目的からズレてしまうことがありますので注意が必要です。
数値化できない定性的な「成果」を明確にする
定性的とはあまり聞き慣れないと思います。
定性的とは、物事を数値や数量ではなく、質的な側面や特徴を分析・評価することを指します。
具体的には、感覚、印象、性質など、主観的で数値化できない情報を扱う際に使われる言葉です。
例えば、「顧客の満足度」や「ブランドイメージ」などが定性的な分析の対象となります。
定性的の対義語は、定量的になります。
定量的とは、物事を数値や数量で測定・分析することを指します。客観的で具体的なデータを扱うため、比較や評価が容易です。
「具体的に数値化する」のはこちらが近いかなと思います。
まとめるとこうなります。
項目 | 定性的 | 定量的 |
対象 | 感覚・性質・印象 | 数値・数量・統計 |
分析方法 | 質問や観察 | 計測や統計 |
結果の性質 | 主観的 | 客観的 |
例 | 「使いやすい」「魅力的」 | 「売上10万円」「満足度80%」 |
私が経験した公務員の仕事の中から、いくつか定性的な物を選らんだら、「部下の育成」や「上司の意図を正確に理解する能力」などがありました。
「教育」「育成」「読み込む力」などは、定量的に表現することは難しいですが、人物を評価する際の要素としては十分足りる情報です。
再現性を意識する
自分の持っているスキルが、応募先の企業でどう活かせるか、会社に貢献させることができるかを考えます。
「数値化」した実勢でなくても、自分の能力を活かせるイメージが相手にも伝われば、自己アピールとしては十分有用です。
自分がその会社で働いたときのことをイメージしながら、職務経歴を作ることは有効です。
活かせるスキルは抽象的に書くより具体的に書いたほうが、担当者の応募者に対する印象もよりはっきりします。
自分のスキルを具体的に書くためには、自分の経験を分析して、解像度を上げていく必要があります。
書類通過率を上げるために本当に必要なこと | 徹底的な自己分析:|

数値化できない実績を職務経歴に反映するためには、「自分」についてしっかり分析する必要があります。
私の場合は、以下の4点を分析しましてから、職務経歴を書きました。
- これまでの経験で何を得たのか?(スキル・知識・価値観)
- 何にやりがいを感じるのか?
- どのような働き方をしたいのか?
- 自分の強み・弱みはなにか?(公務員経験で培った整理能力・文書作成能力・法令遵守意識なども強み)
注意したのは次の3つです。
自己理解により自分の能力・才能を明確にする
長所・短所、強み・弱みの分析とよく言われますが、すぐに想像できるでしょうか?
言語化することが目的となって、長所短所一覧とかググったりしたことはありませんか?
実は長所というものは、「自分が意識しなくてもついやっている」ことに現れることが多く、人物の強みとも言えます。
短所についても、マイナスのイメージが強く、悲観的になりがちです。
しかし、短所も見方を変えれば、「長所が行き過ぎたもの」とも言えます。
例えば、私は新しくものごとを知るとき、「なぜそうなのか?」というところまで知りたがり、自分が得た知識を他の人にも教えたくなるクセがあります。
これを長所として捉えれば、「新しく知ったことを、根拠を示しながら体系的に教えることができる」ということになります。
同じく短所として捉えると、「新しく知ることを、納得できるまで調べたくなり、深みにハマる」と言えます。
この長所から、新たな職場になっても仕事をしっかり理解して進め、同僚や後輩育成この人なら任せられそうだという印象を与えられます。
自分の強みを見つけるためには、抽象的だった自分の理解の解像度を挙げていく必要があります。
徹底的な企業分析
企業分析と言っても、どこからやればよいのかと思う人もいるかと思いますが、おすすめは求人票を見ることです。
求人票には、募集するポジションや求める能力が書いてあります。
会社が求めるものと自分のスキルをどう結びつけるか?
自分の価値観とその会社の価値観が合っているかも見ておくと良いでしょう。
会社の理念などは、会社のHPに掲載されていることが多いです。
会社の理念や方針が明示されていない会社があれば、自分の価値観と合っているかの判断が難しくなりますので注意が必要です。
「自分」と「企業」のマッチングを言語化する

自分の強みと企業の分析が終わったら、いよいよ職務経歴に記載します。
「なぜこの会社でなければいけないのか」「この会社で何をしたいのか」を自分の言葉で熱意を持って語れるよう準備します。
複数の会社に応募する人でも、書類は応募する会社に集中します。
他の会社に応募することは忘れます。
言語化は意外と難しいです。
自分一人でどんなに悩んでも思った通りの文章ができないこともあります。
言語化で悩んだ時にはぜひAIを活用してください。
今はチャットGPTやGeminiといった、優秀なAIがいます。
この人達を活用しない手はありません。
まとまらなくても、自分の作った文章を構成してもらってください。
自分が思いつかなかったような表現が出てくるかもしれません。
その文章を自分風にアレンジするのです。
自分の熱い思いが文章に深みを与えます。
ぜひやってみてください。
転職エージェントとの上手な付き合い方|公務員経験者へのアドバイス 大手=最適とは限らない|

私自身、リクルートエージェント、JACリクリートメント、パソナ、マイナビ転職、エン・ジャパンなどなど多くのものに登録しました。
実際に使ってみて、ほとんどのエージェントがそのままでは公務員からの転職にマッチしない、と私は感じました。
一番は、公務員のことをよく知らない。
公務員の職業柄、数値化した実績を表現できないことを前提として話をする人はいませんでした。
では、どうやって転職エージェントと付き合っていくか?
エージェントとの付き合い方を間違えば、私のように応募しては落ちるの繰り返しになります。
「親身になってくれるか」を見極める
大手のエージェントを使う場合、公務員のことをよく知らない人が相手である、ということを忘れてはいけません。
どれだけ親身に話を聞いてくれるか
紋切り型の「数値化」アドバイスではなく、一緒に悩んでくれるエージェントなのか見極めます。
もし、違うのであれば、アドバイザーの交代を願い出ることも可能です。
単に転職前の職種ではなく、転職している人の人柄や経歴も含めて考えてくれる人が良いエージェントと言えます。
中小エージェントや特化型エージェントも視野に
公務員から民間への転職を得意とするエージェントに出会う場合があります。
数多くあるエージェントから、公務員の扱いに長けたエージェントをを見つけ出すのは、転職活動を始めたばかりの人には難しいことです。
私の場合は、2通りの出会いがありました。
一つは、エージェントに応募した面接で他のエージェントに出会うパターン
私が応募した会社との面接時に、求人を出した会社の面接を担当したのが、人材コンサルタント会社の人でした。
その人は、自分の経歴をみてもっと相応しい会社があるはずだと、活動のアドバイスをしてくれました。
それが縁で、このエージェントとのやり取りが始まりました。
もう一つは、転職サイトから転職エージェントに登録する方法です。
転職サイトには、企業からの求人だけではなく、特定の分野に強いエージェント会社への登録についても出ています。
金融業界への転職に強いエージェント会社でしたが、公務員の転職も携わったことがある人で、職務経歴の書き方についても多くのアドバイスを貰いました。
大手のエージェントは、多くの人に合いやすいですが、特殊な職種については強くない印象です。
一方で、中小や業界に特化したエージェントは、扱う人材も絞られていることが多い印象です。
公務員の転職では、大手と中小又は業界特化のエージェントを併用が有効です。
受け身にならず主体的に活動する
エージェントは伴走者です。
エージェントだから何でもしてくれるというのは間違いです。
書類の作成の方法、提案される求人についても、あくまで自分の価値に合っているのか?やりたいことなのか?という判断は自分がします。
まとめ|200社落ちから見えた、自分らしい転職活動の進め方 |

私は転職活動で200社以上の「お見送り」を経験しました。
転職活動で辛いのは、書類選考の段階で落ち続けることです。
自分が世の中から否定されたような気持ちになり、自分という存在に自信を持てなくなります。
転職活動で、一番苦労したことに職務経歴書が書けないという問題がありました。
多くの転職エージェントのアドバイスは、「実績を具体的な数字にして書く」というものです。
しかし、「実績を具体的な数字にする」ことが公務員には難しく、書類がなかなか書けない原因になっています。
公務員にはむしろ数値化できない、定量的には評価できないことを仕事にしているという特性があります。
数値化できないことを敢えて数値化するという作業が、公務員が職務経歴を書く悩みの種です。
ならば、敢えて数値化できないことを実績として書くことをおすすめします。
- 部下の教育が得意であること
- 文書作成能力に優れていること
- 組織を円滑に運営するための縁の下の力持ち的な仕事が得意であること
企業が求める人物像にマッチすれば採用に繋がります。
実現するためには、自分を理解すること、企業の求める人材を見極めること、それを言語化することが必要です。
このことをいかに熱量を持って表現するかが重要で、実績を数値で表すことが問題の本質でないことを頭においてもらいたいです。
転職エージェントは、一緒に伴奏してくれる心強い味方です。
しかし、転職エージェントに過度に期待するのは危険です。
大手のエージェントはどんな人にでも使いやすい反面、公務員のような業界に強い人は少ないです。
大手のエージェントと特定の分野に強い中小のエージェントや業界特化化のエージェントを活用することも重要です。
私は会社に200社以上書類選考の段階で落ちましたが、無事に就職できています。
もし、また就職活動を始めるとしても、前回と同じように悩むことはないと思っています。
あなたの経験を必要としている会社は、必ずあります。
自信を持って、転職活動に臨んでください。
表面的なアドバイスや、言動に惑わされること無く、自分の価値観に合った会社に自分のやりたいことへの思いを熱くぶつけて未来を切り開いてください!


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